放射能汚染を気にしていて、これから単身で一人暮らしを始める人、主に10代後半、20代の人へ向けて記したいと思います。これは、以前の一人暮らし体験談、本サイト執筆者グループ内の初めての一人暮らしをしながら放射能対策を行っている人の体験がベースになっています。

家族と自分の放射能対策について意見などが違うため、一緒に住むのが嫌になり、一人暮らしを始めたいと思う人がいるかもしれません。実家暮らしが長く、実家で家事をしていない人(家事は専業主婦の母の不可侵領域とされ、口出しを許されない家庭もあるかもしれません)は、唐突に一人暮らしと言われてもどうすればいいか分からずに迷ってしまうかもしれません。311よりも前ですが、一人暮らしをしていたので、一人暮らしの大変さは肌感覚として実感しています。

単身避難者による、初めての一人暮らし+放射能対策は精神面含めて、一筋縄ではいかないのが現実です。一人暮らしと複数人で暮らすことの大きな違いは、衣食住すなわち家事や家の管理を”全て一人で”しなければならないということです。仕事や学校が終わった後の少ない自分の時間の中で、それをこなしていくことは、かなりの骨折りと感じられることでしょう。慣れるまでの手際や、一人暮らし用のアパートではキッチンも狭く、尚更難易度が高いように思えます。一人暮らし経験前や、上げ膳据え膳生活の時に考えていたよりも遥かに大変でした。

しかし、何事も慣れの問題とはよく言ったもので、慣れれば難しかった事でもすんなりこなせるようになったり、より力を入れたり注意すべき項目とそんなに注意しなくてもいい項目が分かってきます。これは、仕事や語学、車の運転の習得と同じようなものだと思います。
衣食住と言っても様々なので、よりシンプルに細かく分けて見てみましょう。

衣:洋服タオルなどを洗濯すること、干すこと、クローゼットで奇麗に維持保管すること
食:食べる物を確保すること(生きるためには身体への害が少ない食べ物を食べなければならない)
住:過ごす空間、持ち物を保管する場所を快適かつ清潔に保つこと(部屋の掃除、布団類にカビが生えないようにする)

どこに住むか、放射能など汚染物質への対策が必要かどうかに関係なく、これらが基本だと考えています。衣食住をより快適にし、自分の身体に良くないものを近づけないようにすることで、精神的にも肉体的にも充実した生活が送れるのだと思います。

放射能対策と言う時に、まず一番に考えるべき問題は「貴方の環境で、衣食住のうち、重点的に対策が必要なのはどれか?」ということです。如何にダメージを減らすかが鍵なので、脅威となるものは何で、それに対処するために何が必要かを、冷静になって考えたいところです。

例えば、放射性物質が空中を舞っているなら埃を室内に持ち帰らないことが大事です。しかし、避難を考えるならば、土壌が放射能で汚染されていない場所を選ぶと思いますし、そのような場所でない限り、移住の効果は薄いとさえ思います。ですから、西日本など、より汚染の少ない地域へと避難した後での生活なら、食品の対策と防御が最重要だと思います。ガイガーカウンターを使い、大阪の街の各地を測定していますが、明らかに「ホットスポット」と言える場所は今のところは見つかっていません(2011年12月15日現在)。避難後には、一人暮らし一般に必要なことに加え、食に関する放射能対策が必要になってくるのだと思います。

放射能対策を別としても、食の部分は、一人暮らしの中でもハードルの高い部分だと思います(そうでなければあれだけ外食やコンビニが流行る事はありません)。そこで、一人暮らしの食のハードルを下げるためにはシンプルに考えましょう。

1. 体裁や見た目にはあまり拘らない
キャラ弁など人に見せたり写真にして公開するためのものではありませんし、商品でもないのですから。
2. 食材の安全性と栄養バランスには拘る
これが健康対策の最重要ポイントです。
3. 完璧主義を捨て、失敗から学ぶ
慣れないと鍋を焦がしたり、調味料のコツが分からずに見た目や味、食材の管理で失敗してしまうことがあります。鍋をダメにしたり、野菜を腐らせる事はよくありました。
4. 無理をしすぎないようにする
これをしないと絶対ダメ!と思い込んでしまうと追い込まれ、メンタルヘルスを病んでしまいます。仕事の商品を作る訳ではないので、命や身の安全に関わる事でない限り、「まーええわあー」くらいのおおらかさが時には必要なんだと思います。母が主婦は手抜きを手抜きとバレないようにするのがコツだと言ってました。
5. あらかじめOK外食店や加工食品をチェックしておく
チェーン店でも各社それぞれ姿勢が違いますし、原産地を公表しているチェーンもあります。どうしても肉体的、精神的、時間的に厳しいときはそれらを利用するのも悪くないと思います。加工食品や外食は原材料や生産加工地が分からないものも少なくなく、よりダメージが少ないと思われるものをリストアップしておくといいと思います。私は外食時に、キノコや牛乳など危険度の高い食材は最低限避けています。

気づいたことをまとめてみましたが、みなさんの参考になれば幸いです。