2013年5月7日火曜日

アルフレッド・ケルプラインによる日本における出生数の性比の分析




アルフレッド・ケルプラインは、ドイツの物理学者でチェルノブイリ事故後の欧州諸国における出生率、乳児死亡率、先天性奇形などのデータを統計学的に分析してきた。

最近では、福島原発事故後の日本での乳児・新生児死亡率のデータを分析している。

そのケルプライン氏のメールからの情報を紹介する。

「日本の出生時の性比(性比=人口における男性の割合)において放射能の影響があるかを調べた結果、2011年10月に性比がかなり低くなっていることがわかった。これは、男児の誕生が女児よりも少なかったということで、チェルノブイリ事故後の1986年11月の、チェコ共和国での性比の減少と類似している。」



ケルプライン氏のメールで言及されていたPeterkaらの研究論文はこれである。

Chernobyl: relationship between the number of missing newborn boys and the level of radiation in the Czech regions.
Environ Health Perspect. 2007 Dec;115(12):1801-6.


ケルプラインの指摘に該当する部分の要点は次のようである。

チェコ共和国では、1950年から2005年の間、1986年11月以外は男児の新生児数の方が女児の新生児数よりも多かった。これは、論文内の図3で示されているように、1986年11月以外の出産児における男児の割合が50%以上であることから分かる。



1986年4月26日に起こったチェルノブイリ事故から7ヶ月後にあたる1986年11月に男児の出生数が減ったのは、事故当時に妊娠3ヶ月目だった男子の胎児において、チェルノブイリ事故の選択的否定的影響があったためだと、この論文では説明されている。すなわち、男子の胎児の自然流産が増加したということになる。

ケルプラインによると、日本で2011年10月に性比が減少したのは、同じような理由で、妊娠3ヶ月目だった男子の胎児の自然流産が増えたからだろうということだ。






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